世界遺産のマフラ国立宮殿は、宮殿・修道院・バシリカが一体となった、ポルトガルを代表する壮大な建築です。
私の目当ては、世界でも美しい図書館のひとつとして知られる図書館。リスボンからバスで約1時間とアクセスしやすく、半日から1日で気軽に訪れることができるのも魅力のひとつです。
この記事では、マフラ国立宮殿へのアクセスや見どころ、実際に訪れて感じた魅力をご紹介します。リスボン観光に少し変化を加えたい方や、歴史ある建築や美しい図書館が好きな方は、ぜひ参考にしてみてください。
マフラ国立宮殿とは


マフラ国立宮殿(Palácio Nacional de Mafra)は、リスボンから北西へ約30km、マフラの町にあるポルトガル最大級のバロック建築。
18世紀初頭、ポルトガル王ジョアン5世が王子誕生の誓願を果たすために建設を命じたもので、宮殿・バシリカ・修道院が一体となった壮大な建築群として知られている。さらに、セルコ庭園(Jardim do Cerco)タパーダ(王立狩猟公園)を含む「マフラ王宮(Real Edifício de Mafra)」として、2019年にユネスコ世界遺産に登録された。
建物は約38,000㎡の広さを誇り、約1,200の部屋、156の階段、5,200もの扉と窓を備えられている。館内には約36,000冊の蔵書を収める壮麗な図書館や、世界でも珍しい6基の歴史的パイプオルガンを有するバシリカなど、多くの見どころがある。
アクセス
公共交通機関で行く場合、リスボン中心部から地下鉄でCampo Grande(カンポ・グランデ)駅へ向かい、そこからマフラ方面のバス(公共バス Carris Metropolitanaの路線)に乗る。

カンポ・グランデ駅の目の前にはスポルティングCPのホームスタジオである、エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデがある。スタジアムの近くにバス乗り場があり、マフラ行き2802番は「Campo Grande (Metro) P23」から出発する。

バス停はこっち↓

バスはCampo Grandeで乗車し、Av Forças Armadas で下車。
最新の運行情報や乗り場については、Googleマップなどで事前に確認しておくと安心。
料金は片道4.65€。
バスのチケットはバス乗車時に運転手から直接購入(現金で)する。バスの公式ページによれば、一部のバスではVisaやMasterのタッチ決済を順次導入中とのこと。私が訪れた2026年5月は利用できなかった。または、リスボンの交通カードNavegante(ナヴェガンテ)カードが利用可能。このバスではリスボアカードは使用不可なので注意。リスボン中心部からカンポ・グランデ駅までの公共交通機関でリスボアカードが利用できる。
行きは3駅で所要時間30分程度だったけど、帰りは数10以上の停留所にとまり、50分程度バスに乗った。途中から車内はかなり混雑し、ローカル感も味わうことができた。
バスは時間帯や便によって所要時間が異なるため、乗車前に確認しておくのがおすすめ。
営業時間・入場料
- 営業時間:9:30~17:30
- 最終入場:16:30
- 休館日:毎週火曜日
- その他の休館日:1月1日、イースターの日曜日、5月1日、12月25日
- チケット料金
| 大人 | 15€ |
| シニア(65歳以上) | 7.5€ |
| 13~24歳 | 7.5€ |
| 12歳以下 | 無料 |
(2026年5月)
リスボアカード(Lisboa Card)対象施設のため、カードを提示すると無料で入場できる。リスボアカードを利用する場合はチケット売り場で、リスボアカードを提示しチケットを発行してもらう。
チケット購入方法は、現地のチケット売り場または公式サイトのオンラインチケットオフィスから購入できる。
私はリスボアカードを利用し入場した。私が訪れた時(土曜の午後)はチケット売り場は混雑しておらず、並ばすチケットを発行してもらった。心配な方は週末や祝日、観光シーズンは事前予約をしておくと安心かもしれない。

公式サイト(オンラインチケット)こちら
※営業時間や料金は変更となる場合があるため、訪問前に公式サイトを確認するとよい。
見どころ
マフラ国立宮殿は、王宮・修道院・バシリカが一体となった壮大なバロック建築世界で、宮殿の中央には壮麗なバシリカがあり、その左右に王と王妃の居住区が対称的に配置されている。
バシリカ
宮殿の中央に位置するバシリカは、王室礼拝堂として建てられたローマ・バロック様式の教会。
内部は色鮮やかな大理石やイタリア彫刻で華やかに装飾され、高さ約65mのドームが印象的で、世界で唯一、6台のパイプオルガンを同時演奏できるよう設計されている。
私が訪れた時は残念ながらバシリカの見学ができなかった。
王宮
王宮エリアは王室の生活空間で、このエリアには、国王と王妃の居室や謁見の間、音楽室などがあり、18世紀の王室の暮らしを垣間見ることができる。

王の寝室

フランス・アンピール様式の豪華なベッド。
ビリヤードルーム

王族や賓客がゲームで楽しむ部屋。中国式ビリヤード、フランス式ビリヤード、スヌーカー(ビリヤードの一種)などが置かれている。
音楽の間

かつて王室が賓客を迎える場所でもあった。
ドン・ペトロ5世の間

かつて来客が待機する「控えの間」として使われていた。
狩猟の戦利品の間

部屋全体がダマジカやシカの角、イノシシの頭部で装飾されている。
王宮エリアにはほかにもさまざまな部屋があり、それぞれ異なる装飾や雰囲気を楽しめる。
図書館
マフラ国立宮殿図書館は、18世紀ヨーロッパを代表するロココ様式の図書館。


図書館のホールは全長88m、幅9.5m、高さ13mで、ロココ様式の図書館では世界で最も長い。宮殿の建設は1717年に始まったが、図書館は1771年になってようやく完成した。ほぼ片側採光であるが、中央のドームだけは両側採光になっている。書架ははすべて作りつけで、回廊には小型本が収納されている。
当時多くの図書館で回廊への入り口が隠し扉になっていたが、ここでは隠されていない。回廊への入り口は、ロココ様式の縁取りで装飾されている。
書架上部のカルトゥーシュ(楕円形の枠)は、寓意画を収めるために設置されたと言われている。また、建設当時のままの石油ランプが天井からつりさげられている。

開館以来、この図書館には小型のコウモリの群れが住み着いている。最近の研究で明らかになったことによると、コウモリは書架の裏側で越冬し、夏になると館内に飛来し、蔵書を食い散らす虫を捕食するという。

修道院
修道院は、修道士たちが祈り・学び・生活を送るための空間。マフラ国立宮殿では約300人のフランシスコ会修道士が暮らし、回廊や食堂、薬局、病室などが設けられていた。
医務室の厨房

患者や医療スタッフのための食事が調理されていた。王室の厨房で使用されていた銅製の調理器具が一式そろえられている。
修道院の病室

ベッドからでもミサに参加できるよう、すべて祭壇の方向をむくようにつくられているそう。
マフラ国立宮殿は長く続く回廊や、中庭もみどころ。



施設内にはカフェも併設されている。



今回私はいけませんでしたが、宮殿のすぐそばには、ヴェルサイユに着想を得たバロック様式のセルコ庭園(Jardim do Cerco)がある。
緑豊かな園内には広い散策路や池、現在も稼働している100年以上前の水車などがあり、宮殿見学とあわせて散策するのもおすすめ。こちらの入園は無料。
まとめ
マフラ国立宮殿はリスボンから少し足を延ばすだけで、壮大な建築と静かな時間を楽しめると思います。
宮殿の中で一番印象に残ったのは、やっぱり図書館。長く続く本棚と静かな空間がとても美しく、ここを見るためだけでもマフラまで来てよかったと思える場所でした。
リスボンの定番観光とは少し違う場所を訪れてみたい人や、歴史ある建築や図書館が好きな人には、ぜひおすすめしたい場所です。
