ヨガで健康になれるのか?

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ヨガとは

ヨガは身体・心・精神を統合し、調和をもたらす総合的な実践法で、その起源は古代インドにあると言われています。

近年ヨガはエクササイズや健康増進、ストレス管理、精神的な成長のために世界中で取り入れられています。

多くのヨガの研究が行われていて、ヨガは私たちの健康を向上させる効果があると、多くの研究が示しています。

ヨガの種類

ヨガには様々な種類、流派があり、それぞれ異なる目的やアプローチがあります。

主要な古典ヨガは、

ラージャ・ヨガ(王のヨガ)瞑想と精神統一による悟り

ジュニャーナ・ヨガ(知識のヨガ)哲学的、真理の探究

カルマ・ヨガ(行為のヨガ)無私の奉仕の実践

バクティ・ヨガ(信愛のヨガ)神への献身

ハタ・ヨガ 身体と呼吸の制御

などがあります。

現代の多くのヨガスタジオやスポーツジムで行われているのは、ハタヨガを主としていますが、その中にも様々流派が存在します。

例えば

【アシュタンガ・ヨガ】

創設者:パタビ・ジョイス

決まった順番でポーズを行い、ヴィンヤサ(呼吸と動作の連動)を重視。

6つのシリーズがあり、初心者から上級者まで段階的に進める。

【アイアンガー・ヨガ】

創設者:B・K・Sアイアンガー

正確なアライメント(姿勢)を重視し、正確なポーズの取り方に重点を置く。また、プロップス(補助具)を使用して、無理なくポーズをとれるようにする。

【シヴァナンダ・ヨガ】

創設者:スワミ・シヴァナンダ

12の基本ポーズと呼吸法、瞑想、リラクゼーションを重視。

【ビクラム・ヨガ】

創設者:ビクラム・チョードリー

高温多湿の環境で決められた26種類のポーズを90分間行う。

などが挙げられます。

現代のヨガは複数の構成要素からなり、シークエンス(各種ポーズの連なり)、呼吸の制御、深いリラクゼーション、瞑想を組み合わせたもので、ヨガの練習は身体的要素であるシークエンスに重点が置かれていることが多いです。

ヨガのスタイルは様々で、ヨガのスタイルの違いは、ヨガのどの構成要素に力点を置くか、それらをどのように教えるかにあります。

ヴィンヤサヨガやフローヨガ、陰ヨガなどは、ヨガのスタイルなのかなと思います。

また、ポーズや呼吸法、瞑想も様々なバリエーションがあり、この組み合わせも本当に多様になります。

これらの違いによってヨガの作用や効果に影響を与えます。

ヨガの効果

一般的なヨガの効果として以下のようなものが挙げられます。

・柔軟性を高める

・筋肉を鍛える

・バランス力の向上

・姿勢の改善

・血流の改善

・リンパ循環の促進

・免疫システムの強化

・丈夫な骨作り

・減量

・痛みの緩和

・神経系の緊張緩和

・不安の緩和

・ストレスの緩和など

ストレスによる健康への影響

私たちの体はストレスに対して、神経系、内分泌系、免疫系によって調整を行い生理的・心理的にバランスを保とうとします。

ストレス反応は短期的には身体を守るのに役に立ちますが、長期的、過度なストレスは健康にマイナスな影響を与えます。

長期的、過度なストレスによって、自律神経の交感神経系が過剰に働きます。すると身体は緊張状態を維持し、血圧の上昇や筋肉のこわばり、便秘、不眠など様々な不調が現れます。自律神経バランスも乱れます。

また、交感神経の情報を伝達するノルアドレナリンが長期に渡って分泌され続けると、やがて分泌量は減少し、集中力ややる気を失います。また幸せホルモと呼ばれる、セロトニンの分泌も減少していきます。

さらに、ストレスを受けることで、コルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌されます。こちらも短期的にはストレスと闘うために必要な反応ですが、ストレスが慢性化すると分泌が過剰になり、血糖値の上昇、免疫機能の抑制、学習能力の低下など様々なダメージを与えます。

このように、過度なストレス負荷によって、ストレスレベルがある閾値を超えると、それが原因で脳や体に障害が発生します。

このような慢性的なストレス暴露による反応によって、様々な生活習慣病(肥満、2型糖尿病、がん、心血管疾患、高血圧など)の発症に影響を及ぼします。

ヨガの実施はこのストレスによる生体反応に対して、おおむね拮抗的な反応を示すという報告が多くあります。

ストレスに対するヨガの効果

アメリカ国立補完代替医療センター(NCCAM)はヨガを心身医学と呼び、その使用はストレスを管理するための非薬理学的ツールとして推奨しています。

ヨガはコルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリンの数値を低下させ、炎症性サイトカインの数値を低下させ、免疫系の機能を高めるといわれます。

また、それらのアウトカムである、血糖値、心拍数、血圧、血中コレステロール値を改善、交感神経系を鎮め、副交感神経系を活発にするという報告もあります。

人は、受け止め方(認知)によってストレス形成に大きく影響します。同じことが起きても、受け止め方次第で、それがある人にとってはストレスとなり、別の人にとっては全くストレスにならないということが起こります。

ヨガの実践により、ストレスを処理する脳の領域の活動が変化し、ストレス耐性を向上させ、ヨガの継続で、扁桃体(ストレスや不安を感知する領域)が縮小するという研究結果もあります。

また、ストレスは思考によって悪化することがよくあると思いますが、ヨガは不安定な心を落ち着かせる効果も報告されています。

ヨガを実践している人は、このような効果を日常的に感じている人もたくさんいると思います。

健康とは

ここで、そもそも健康とはなにかを考えたいと思います。

健康は様々な視点から定義されます。

生物学的健康:体の機能が正常に働いている状態で生命を維持するための基本的な身体活動(呼吸・消化・代謝など)が問題なく行われる

心理的健康:精神的に安定し、ストレスや不安を適切にコントロールできる状態、ポジティブな感情や自己受容(自分を肯定的に捉え、自己評価が安定した状態)があり、適切な意思決定ができる

社会的健康:家族や職場、地域社会と良好な関係を築き、周囲の人との交流を持ちながら生活できる

このうように、健康とは身体的、精神的、社会的な側面を含む広域な概念で、「病気がある=健康でない」というわけではありません。

健康の定義は視点によって異なるため、身体的・精神的・社会的・文化的な側面を総合的に評価する必要がありますが、健康であることは私たちの幸福度や生産性も高めるとともに、人間関係の質を向上させ、より充実した生活を送ることにつながると思います。

ヨガで健康になれるのか?

ヨガの実践によって前述した、生物学的、心理学的、社会的健康それぞれにプラスの作用をもたらすと示唆されています。

ヨガを練習すると、

・柔軟性、筋力、バランス能力、呼吸機能の向上などの身体的機能の向上

・集中、認知、マインドフルネス、自己認識(自分自身の理解)の向上などの心身へ気づきの向上

・ストレス制御、感情の安定、レジリエンス(心の回復力)、自己効力感の向上などの自己調節能力の向上

などが期待できます。

その結果、健康、精神状態、行動、パフォーマンスがよくなり、幸福感を高め、個人の生活の質を高る助けになると思います。

ヨガの実践は、健康改善につながる生理学的変化に加えて、行動的経路を通じて健康にポジティブな影響をを与え、幸福感を高め、気分の改善にも役立つことがわかっています。

これらを踏まえて、ヨガの実践は私たちを健康にする助けになるものだと思います。

1度のヨガの実践でもすっきりした感覚や、気持ちの落ち着きなど感じたことがあるのではないでしょうか。

このような反応の繰り返しで、より健康な状態をもたらしてくれるかもしれません。

ヨガの効果は継続して実践することが重要だと言われます。定期的なヨガの実践で長期的な健康促進が期待できるでしょう。